経営者インタビュー

品質管理を経営理念に組み込み、高品質な製品提供により市場認知度を高めていく ~バングラデシュの石油精製事業会社役員に聞く バングラデシュ

2016年8月26日(金)11:30

(Bangladesh/バングラデシュ)

Universal Refinery Pvt. Ltd. 社
Mr. Sajid Mahmud (Executive Director)
Bangladesh
 
sca74wzpkrhdsny4cm8v-f8ed8e2d.jpgHIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。

今回、バングラデシュで石油精製事業を営む参加者にお話しをうかがいました。
 


-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
 
 Universal Refinery社は石油化学ビジネス企業で、異なる温度における炭化水素の様々な化学成分を得るために、天然ガス凝縮物の分別蒸留を専門としています。Universal Refinery社は2010年にチッタゴンに設立され、2014年に商業生産の認可を得ました。
 
我が社の精製能力は一回につき130トンで、一日に二回稼働しています。従業真数は約60名で、そのうち25名は技術者、作業者、会計、人事を担当し、残りの35名は製品の受発送、メンテナンス、保安といったサポートスタッフです。
 
我が社の製品は、メチルアルコール(MS)、テレピン油(MTT)、灯油(KSO)、ディーゼル(HSD)やその他異なる等級の溶媒などのクリーンな炭化水素成分です。これらは自動車、エンジン、発電機用として、家庭や産業界における燃料として使用されています。
 
 
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
 
我が社の経営哲学は、消費者のための品質管理を組み込み、石油化学産業における高品質製品の市場認知度を高めていくための、総合品質管理システムに関する全てです。我が社のカギとなる方針価値である顧客満足度は、国際基準に沿った仕様標準の維持を可能にしてくれます。また、当事者意識の観点から従業員をやる気にさせることも、我が社の大事な経営方針の一つであると考えています。
 
 
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
 

経営の観点からみると、天然ガス資源と精製した製品両方の品質を高めるために研究開発を継続的に行い、定められた基準を満たすように政府が課している規制が、継続的な課題であると言えます。設立当初から今日に至るまで高い品質を確立してきたことが、バングラデシュにおける民間及び政府系の石油製品市場企業の間で、我が社が優良企業であるという名声を高めることにつながり、短い期間での信頼確立につながりました。
 
我が社は、それぞれのバッチ精製で国が求める基準を満たす、あるいは基準以上となるように工場内に品質管理研究所を持っています。
 
我が社の次の課題は、例えばオクタン(ガソリン等の燃料の一成分)の比率を80以上から100のレベルにもっていくなど、最高クラスの製品を精製できる技術的能力を高めることです。そのためには、軽くて不純物のない化学成分を得るために、長持ちするような頑丈なろ過メカニズムを可能とする機械・装置への健全な投資が必要となります。
 
 
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
 
我々のビジネスは国のニーズに応えるために、主にバングラデシュ市場にて行っています。他にも隣国のネパール、ブータンや北西インドといった石油製品不足に直面している国々等、自動車石油製品の輸出のニーズはとてつもなく大きい領域に広がります。世界市場でのこのビジネスにおける他の可能性としては、生産コストの半減を可能とするために、マレーシアやインドネシアといった国々からの天然ガスコンデンセートの調達が考えられます。
 
 
そして、我が社はネパールやブータンといった隣国市場に石油製品を供給していく可能性を探りたいと考えています。ネパールやブータンといった隣国との国境を越えて海外ビジネス展開を成功させるためには、貿易協定の締結等、輸送施設の開設に向けた国によるリーダーシップが欠かせません。
 
 
-貴社ビジネスが属する、自国におけるマーケットの状況について教えてください。
 
 
現在の市場環境下では、政府は我々企業に、精製した石油製品の60%を政府所有の石油販売公社へ売ることを求めています。そして残りの製品は既製衣類産業や自動車産業、塗装産業といった民間分野の工業利用のために売ることができます。なお、生産能力の観点から言えば、我が社はバングラデシュにおける民間分野において、4番目に大きな天然ガスコンデンセート精製企業です。
 
バングラデシュの天然ガスコンデンセート精製産業では現在、およそ13社が競合していますが、本産業は成長しています。高まる品質規制にかなうように技術的能力を向上させるという傾向が競合各社の間で見られます。より高い市場ポジションの確立に向けて、競合他社の足音が聞こえてきています。一方で、この産業での新規企業の参入障壁は極めて高いです。品質、環境、危険物取扱、火災、保管、安全要求事項といったコンプライアンスにそった分別蒸留精製を行うためには限られたライセンスを取得するため、政府規制者との関与が必要となります。
 
 
-日本を含め、他国と自国における商慣習には違いがあると思います。自国での働き方に関する考え方、業務文化、国民性など、他国との際立った違いがあればご紹介ください。
 
バングラデシュにおける我々の産業文化の大きな違いは、政府は自由市場についていう一方で、現実的には規制の障壁により民間企業の革新する力、成長力を阻害しているといえます。規制によって、精製企業は製品の50%以上を政府関連機関に売ることが求められていますし、民間分野では総じて公平なビジネス競争の慣行が欠如し、自社ビジネスの収益のために賄賂や汚職等、組織的に関わる所もあります。一般的にバングラデシュには専門的な規律正しさや熱心さが欠けています。また企業や産業に価値を提供することを求める技術や訓練が欠けています。
 
一方で、もし優秀な従業員が雇用されれば、彼らは一生懸命に働く傾向にあります。一般的に、バングラデシュ人は世代的に若いこともあり勤勉で、新たしい考えにオープンであり、いつも変化を求めているように思います。
 
 
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
 
我々の人材育成の最大の障壁は識字率の低さと言えます。また、生産性や成果を高める活動を避ける一方で、保証を確保したがる文化の悪い一面も挙げられます。従業員に企業へ価値を提供してもらうために現在取れる方法としては、残念ながら賃金や福利厚生を上げ続け、成果主義に基づいた報酬制度を導入することだけです。
 
 
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
 
 
今回初めて日本に来ましたが、日本は素晴らしい国です。私が会って話をした日本人は皆大変親切で礼儀正しく、また色々と助けてくれました。そのため、私の日本での経験は全て良いものばかりです。
 
日本はとても美しく、組織されていて、またきれいな国です。外国人として、日本国内を一人で出歩くことは、私にとってとても簡単でした。というのは、すべてが規則正しく整然としていて、人々はとても友好的でいつでも私を助けてくれたからです。
 
私は日本がどのようにしてそのような進展した革新的な社会になったのか、しかし同時に古い伝統、建築、文化を維持しているという所が好きです。バングラデシュ人、また私個人として、日本人と日本政府に素晴らしい来日の機会を与えていただき、ビジネスの発展と同時に環境を配慮している日本人の知恵・見識や考えを学ばせていただいたことに感謝しています。
 
本プログラム期間中、3つの企業を見学することができました。これらすべての企業はとても印象的でした。各企業の社員はとても親切で、時間を割いていただいことや知識の共有に辛抱強く、寛大に対応いただきました。日本企業は大変よく組織化されていて、生産性も高く、また環境への影響を配慮していました。技術的に進んだ企業がどのように取り組んでいるのかを知ることができたことが一番印象的です。彼らがどのように研究開発にお金と時間をかけているかという点も素晴らしかったです。これらの日本企業から、組織について、生産性について、研究開発について、安全・環境保護について多くのことを学ぶことができました。
 
私の日本滞在中に一番思い出深いのは、日本人との交流でした。皆とても友好的で親切です。外国人として、どこに行ってもいつもとても居心地が良かったです。企業訪問を通じて見ることができた素晴らしい技術すべても素晴らしかったです。
 
 
ご協力ありがとうございました。
 

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