経営者インタビュー

自社製品の更なるアフリカ諸国展開を目指して ~ガーナの現地製薬企業経営者に聞く ガーナ

2016年6月8日(水)09:07

(Ghana/ガーナ)

279fb5hczi7i2gdwf2x4-e322bac9.jpg ​Danadams Pharmaceuticals Industry社
Mr. Yaw Adu-Agyei Gyamfi (CEO)
Ghana
 
HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、ガーナで製薬会社を営む参加者にお話しをうかがいました。


-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
 
我々はガーナの現地製薬会社で、2005年に設立しました。当初は50名の従業員数でスタートしましたが、現在は275名となっています。我々は坑レトロウイルス薬、坑マラリア剤、抗生剤、鎮痛剤を中心に、良質なジェネリック医薬品の製造を手掛けています。アフリカ諸国では通常、少なくとも医薬品の70%は中国やインドから輸入していますが、純粋な現地法人として事業を行っている我が社は、住民のニーズに応えるべく、現地での医薬品製造への道を切り開いています。
 
 
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
 
実際の所、我々の経営理念は個人生活におけるフィロソフィー(理念)でもあり、その二つに実質的な違いはないと思っています。人には、より良い状態にするために努力したいと思わせる確固とした基盤や信念体系が必要です。控えめに言っても、ビジネスは、たとえ好調な時期であっても、混沌とした状況にあります。
 
我が社には、管理する立場にある人たちが意思決定プロセスを行う上で、指針となる一連の信条があります。以下の点は、我々の経営理念の一部です。
 
1. 品質に妥協することなく、低価格な医薬品を製造し、提供すること
2. ジェネリック医薬品のうち認知度が高いものと低いものに焦点を当てること
3. 我が社の品質の高い医薬品で、お客様を満足させること
4. 従業員の業績・パフォーマンスを表彰し、従業員にとって働きやすい職場環境を作ること
 
 
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
 
我々が直面している主な課題は以下のとおりです。
1. 資金調達手段と信用
2. 通貨下落のリスク、また原材料輸入のための外国為替の必要性
3. ガーナにおける市場の需要、または市場自体の欠如、売上金の回収問題
4. 従業員の技術不足
5. 必要な生産技術へのアクセスの欠如
6. 高い公共料金や多数の税金から生じる高生産コスト体質
 
これらの課題への取り組みとして、我が社の戦略の一部に以下の活動を取り入れています。
 
1. ベンチャー投資による資金調達先を求め、我が社の事業計画書を作成しました。既に覚書締結まで進んでいます。
2. 通貨下落のリスク問題は外部要因であり、特に我々に出来ることはありません。高金利政策や高い税金といった政府の財政方針のため、国内ビジネスは優遇されているとは言えません。
3. 我が社はナイジェリアにビジネス展開をしています。ナイジェリアには約1億8千万人の人々が生活していて、西アフリカで人口数が一番多い国です。それに比べ、ガーナの人口は約2千7百万人にすぎません。我々はナイジェリアに関連会社を立ち上げ、その周辺国に我が社の製品を卸しています。
4. 我が社は、技術水準の高い人材をインドから4名雇用しています。彼らにより、我が社の現地国籍従業員への研修を行い、技術の底上げを目指しています。
5. 南南協力による技術移転に向けた覚書の締結はとても重要です。我が社は、自社の製品のポートフォーリオを増やすため、インド企業から製品(完成品)を供給してもらうべく、業務提携を始めました。
6. ガーナで持続可能な会社を興すために、我々の事業への協力に関心がある日本の企業とのパートナーシップの可能性を模索しています。
 
 
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
 
我が社の最終製品やサービスが国際市場で受け入れられることを期待し、世界中にどのように製品を届けるか、またその概念を考えるプロセスはとても重要です。グローバル・マーケティングを正しく実践することが出来れば、企業を現在より上のレベルに押し上げることができます。会社が製品を投入しようとしている国・地域によって、異なるマーケティング戦略がとられます。グローバル・マーケティングは、車や食料等、万人に共通した需要がある製品やサービスを提供する企業には特に重要です。
 
我々Danadams社にとっては、日本のような先進諸国の国際的企業の協力なくして、このようなレベルに到達することはできません。どのようにしてパートナー企業を見つけるか、これが我々の頭を一番悩ませています。我々は先進諸国にあるガーナ大使館を通じて企業探しを試みましたが、現在のところ肯定的な反応はありません。
 
なお、我が社はナイジェリアに加えて、カメルーン、トーゴ、ベナン、ブルキナファソ等、他の西アフリカ諸国でも製品販売を行っています。我が社は特許権が無いジェネリック医薬品に焦点を定めて製造・販売しています。
 
 
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
 
そうですね。我々はケニアのような他のアフリカ諸国にもビジネスを展開していきたいと考えています。今後は、我々の製品がまだ投入されていない中央アフリカ方面に、ビジネス展開をシフトしていきたいと考えています。そのために重要なことは、資本を増やすこと、つまり国際的企業による我が社への資本増強への協力が必須です。アフリカの医薬品市場に関心のある投資家を探すこと、これが我が社の成長につながります。
 
我々は日本市場へのビジネス参入は考えていませんが、日本企業と技術提携関係を築くことができればと思います。そのような企業には、アフリカ諸国への技術移転とアフリカ市場への特許薬の導入を期待しています。
 
 
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
 
我々は通常、全ての従業員に対して毎月ベースあるいは3カ月ベースでの年間研修計プログラムを提供しています。管理業務、生産、品質管理、セールス・マーケティング、保守・技術面、財務など、所属部門によってそれぞれ異なります。年間プログラムですので、一年を通しての研修実施です。
 
 
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
 
今回の来日時に訪問した日本企業の、TQM活用レベルに感銘を受けました。是非、そのような日本企業と協力関係を築き、我々アフリカ人スタッフを指導してほしいと思います。または、我が社へのTQM導入を支援してくださる日本のコンサルタントと関係を築くことが出来ればと思います。
 
 
ご協力ありがとうございました。

同国の記事

エントリーがありません

more

海外ビジネスサポートサービス

  • 海外情報配信サービス
  • GHC海外インターンシップ
  • 国際カンファレンス・セミナー
  • 海外ビジネスマッチング
  • 海外市場調査
  • にほんごe-ラーニング

世界に広がるAOTS帰国研修生ネットワーク

海外産業人材育成協会(AOTS)が培ってきた50年以上の研修事業を通じて、43か国と同窓会ネットワークを構築してきました。

各国の同窓会メンバーは製造業を中心とした企業経営者・管理者、相手国政府・公的機関の有力者や技術者で構成されています。この信頼性の高いネットワークを通じて、工業部門を中心とした調査やパートナー企業探しが可能です。

ものづくりと海外をつなぐ

GIJメールマガジン

海外情報や、AOTSプログラム等、情報をご提供します。

  • 無料メールマガジン お申し込みはこちら
  • お問い合わせはこちらから

新着情報

新着ニュースを掲載しております。

more