経営者インタビュー

チャンスは現地にある ~IT業界としてミャンマーへ進出した先駆けの企業経営者に聞く(3/3) ミャンマー

2016年5月11日(水)10:00

(Myanmar/ミャンマー)

※本記事は3回に分けて掲載しています。
  本記事は第3話になります。
第一話はこちら> <第2話はこちら

h5vz5mkk25k76x6d2ftc-136411b9.jpg







 
オー・エイ・エス株式会社
取締役 富田裕行様 
 

 
―ミャンマーの学生・若者は起業にチャレンジする人も多いと聞きます。 
 
 起業したいという学生は多いと聞きます。欧米の若者に近い感覚があり、日本の学生よりも独立心が強い印象があります。これまでは留学し、卒業後も留学先の国で仕事を見つけていたが、最近はミャンマーへ帰国して仕事を始めたいという若い世代も増えてきています。ミャンマーの若い起業家たちは日本よりも欧米への関心が強いです。コミュニケーションも基本的に英語で行い、英語圏をベースにして行うビジネスモデルが多いようです。
 
―これから海外進出、とりわけミャンマーへの進出を検討される日本企業の皆様へアドバイスを頂けますでしょうか?
 
 海外の事業は、現地でのクイックな決断が求められる場面が多いので、決裁権を有する者が現地に出向き、深く関与することが重要です。それは人脈作りにおいても、自社の本気度を伝える上で大切なことです。

 弊社はUITで寄付講座を開設した最初の日本企業ですが、その勝因は現地においてスピーディーに判断し、本社の了解をスムーズに得られたことが大きいと思います。そう考えると、「チャンスは現地にある」という表現もできると思います。

 大手日本企業のケースをお聞きすると、本社へ確認して、やるかやらないかを本社内にて検討している間に、チャンスがなくなってしまうことも多いようです。「日本人は良く来るけど、何もやってくれない」と言われています。ミャンマーのように、各種制度やビジネス環境が未整備である新興国での事業は、現地で即決できる体制を作っておくことが大切です。進出する企業が一番意識しなくてはいけない点だと思います。
 
 長期的視点を持つことも重要です。新興国の事業では、弊社も苦労しているところですが、すぐに採算が取れるようにはなりません。5~10年くらいの期間でプラスにしていく気持ちが無いと、海外ビジネスは成功しないと思います。「日本のマーケットの縮小が顕在化する前に準備する」という観点が大切だと思います。「短期間で収益が出ないなら、この事業を止める」というのであれば、最初からやらないほうが良いと思います。
 
 またミャンマー人は、契約に対する責任感が薄いので、日系企業や政府、銀行以外は簡単に信頼しないことです。「合弁企業を立ち上げたけれど、全部持っていかれた」という話をよくお聞きします。外国人は店舗物件の契約名義人になることが難しいということもあり、飲食関係のビジネスでは名義貸しが問題になることが多いようです。
 
 会計制度や会計実務についても、全体的に曖昧なことが多く、制度変更も頻繁に行われますので、捉え方の違いがあり得ると認識しておくことも大事だと思います。UIT学長に対しても「希望があれば遠慮なくおっしゃってください」とお伝えしており、弊社も「出来る、出来ない」をはっきり伝えるようにしています。
 
 弊社の場合は、政府系の大学に「寄付する」という形で、ミャンマーとの関係作りのきっかけとなりました。目には見えませんが、それが色々な面でプラスに働いていると思います。ミャンマーは寄付文化の国ですから、ミャンマーのトップのコンピュータ大学に寄付講座を持っていることを話すことで信頼度が増し、非常に好意的に対応して頂ける状況になっています。

 寄付講座設立の初期投資として、教室を全面リニューアルし、PCを購入して提供しましたが、ヤンゴンの一等地に5~60人が入れる教室をお借りしているので、そのスペースを借用するとなると、家賃は50万~100万円/一か月となりますので、そう考えると非常にありがたいことだと思っています。寄付行為はどの企業も前向きに考えて良いと思います。そのおかげでHIDAの補助事業専門家派遣も利用させて頂けましたので……(笑)。
 
―御社はミャンマーでどのように広報・宣伝に取り組まれていますか?

 日本人向けの告知方法としてはフリーペーパーへの広告掲載があります。ちなみにこうしたフリーペーパーにはレンタルオフィス、求人、飲食店、進出サービス、人材関係の情報が載っています。

 また、広告ではありませんが、現地ミャンマー語新聞に弊社を紹介する記事が載りました。UITと弊社のコラボレーションをしていることを宣伝する為、全国紙3紙に掲載され、テレビ局3社からもインタビューを受けました。日本の同業他社がその記事をご覧になり、UITへの寄付講座開設を決めたという話も聞いております。
 
 弊社のソフトウェア製品はB to B向けですので、一般消費者向けの宣伝というよりも、セミナーを開いてニーズのあるお客様を集めて説明するなどの宣伝をしています。

 現地ではスマートフォンアプリとして、位置情報・場所をクリックするとポイントがたまって賞品がもらえるとサービスがあり、企業としてはスマートフォンアプリでCMを行うような仕組みを提供している日系IT企業もあります。
 
 ミャンマーの方はSNSを利用するのが大好きで、一般市民の間にも大変普及しています。通販会社もSNSにページを開設していて、消費者はメッセンジャーで問い合わせをして購入しているようです。ミャンマーではスマートフォンはプリペイド式・課金制ですので、SNSを使うときだけネットに接続して利用しています。

 ミャンマー人、特に学生は皆Webメールを使っていますので、メールアドレス情報が集まれば、EメールでDM(ダイレクトメール)を打つことも可能と思います。例えば、学生のEメールアドレスを入手できれば、企業としてはダイレクトに採用募集の案内を行うことは、全国紙に広告を掲載するよりも効果的だと思います。
 
―私どもHIDA総合研究所はAOTS・HIDA帰国研修生同窓会と協力し、日本企業の新興国・開発途上国への展開をサポートするサービスを行っております。こうした「HIDA総研」のサービスや、その他のHIDA事業へのご期待、ご意見をうかがえますでしょうか。
 
 弊社が現在事業展開を進めているミャンマーに対して、弊社の事業や商品認知度を浸透させる上で、メールマガジン広告に興味を持っています。また、現在ミャンマーで事業を拡大していこうと取り組んでいるところ、HIDA総合研究所で行われている有償ベースの海外インターンシッププログラムを活用し、自社社員をインターンシップという形で、まずは現地での業務やマーケットを経験させることができるならば有益だと思います。
 
 補助事業の研修並びに専門家派遣制度については、単年度事業制度と理解していますが、年度跨ぎでの実施が可能になると便利です。なお、弊社がHIDAの補助事業研修・専門家派遣制度を利用するようになり、最近ではお知り合いの企業へもHIDAの制度をご紹介させて頂いています。
 
 本日は貴重なお話しをお聞かせいただき、どうもありがとうございました。
 
※3回にわたり、お読み頂きありがとうございました。
 <
第一話はこちら> <第2話はこちら

 


本記事へのお問い合わせをご希望の方は下記までご連絡ください。
お問い合わせ (平日 9:30–17:00)
Tel: 03-3888-8240 (HIDA総研)
Webからのお問い合わせをご希望の場合はこちらをクリック

海外ビジネスサポートサービス

  • 海外情報配信サービス
  • GHC海外インターンシップ
  • 国際カンファレンス・セミナー
  • 海外ビジネスマッチング
  • 海外市場調査
  • にほんごe-ラーニング

世界に広がるAOTS帰国研修生ネットワーク

海外産業人材育成協会(AOTS)が培ってきた50年以上の研修事業を通じて、43か国と同窓会ネットワークを構築してきました。

各国の同窓会メンバーは製造業を中心とした企業経営者・管理者、相手国政府・公的機関の有力者や技術者で構成されています。この信頼性の高いネットワークを通じて、工業部門を中心とした調査やパートナー企業探しが可能です。

ものづくりと海外をつなぐ

GIJメールマガジン

海外情報や、AOTSプログラム等、情報をご提供します。

  • 無料メールマガジン お申し込みはこちら
  • お問い合わせはこちらから

新着情報

新着ニュースを掲載しております。

more